mufgコインを無人店舗で利用実験 三菱UFJ銀行の目指す先
三菱UFJ銀行が無人店舗でMUFGコイン(デジタル通貨)を利用した買い物が出来るよう、実験を行っているようです。
店舗運営方式は、顔認証システムで誰が入店したかを把握し、手に取った商品を認識、その後、退店した際に代金をMUFGコインから引き落とすと言う方式です。
現在は、三菱UFJ銀行内のコンビニエンスストアーで社員の買い物を通した実験段階だそうです。
金融機関である、三菱UFJ銀行がなぜ無人店舗の実験をしているのか不思議ですが、その理由を考えてみましょう。
ちなみに、私は三菱UFJ銀行とは全く関係がなく、MUFGコインの情報もプレス発表の内容しか持っていないので、ここに書いてあることが当たっているか、想像のみの産物かはわかりません。
三菱UFJ銀行が小売業界に進出する?
まずは、三菱UFJ銀行が小売り業界への進出を考えているのかと言う点については、それはほぼ無いと考えています。
なぜなら、物販には携わっておらず、経験やノウハウがない分野に進出するには、資本やリスクに対するリターンが合わないからです。
しかも小売り業界は既に大手コンビニチェーンがしのぎを削る業界です。
そこに自ら資本を投入して参画するメリットはありません。
しかし、現実として無人店舗の実験を行っているのはなぜでしょう。
それは無人店舗のプラットフォームに注目すれば見えてきます。
無人店舗の中核となる顔認証システムは、Amazonの顔認証システムを使っています。
おそらく三菱UFJ銀行は独自の認証システムは考えてないと思います。
なぜ、Amazonのシステムを使っているかというと、MUFGコインの展開を考えているのだと思います。
三菱UFJ銀行の目的は、MUFGコインの流通です。
デジタル通貨の主導権をMUFGコインで握る事が出来れば三菱UFJ銀行にとって、多大なメリットがあります。
MUFGコインが流通する = 大量の現金が手に入る
と言う事ですし、手に入れた現金と言うのは、利息を付けなくていい預金とも考えられます。
銀行が一番苦労する、「預金の確保」がデジタル通貨を販売する事で出来るわけです。
例えば、三菱UFJ銀行に口座を持っている人が、生活のためにお金を引き出すと、銀行からお金が出ていきます(当たり前の話ですね)。
しかし、デジタル通貨を使って買い物をする人なら、MUFGコインを買ってくれるので、銀行のお金は減りません。
代金をデジタル通貨で受け取った商店の人も、他の買い物をする際に、受け取ったデジタル通貨で支払うと、銀行にコインを交換しに来ないので、銀行のお金が減る事はありません。
利用者も、デジタル通貨が現金より便利となれば、デジタル通貨を使い始めます。
そうなれば、MUFGコインは三菱UFJ銀行に戻ることなく、世の中で流通するようになるのです。
これが、今までの電子マネーと大きく異なる事です。
今までの電子マネーは、
・利用者が「チャージ」と言う行為で発行者からポイントを買います。
・買い物や電車代などの決済でポイントを支払うと、受け取った商店は、発行者にポイントを返して現金を受け取ります。
電子マネーは2次流通が出来ないポイントですが、デジタル通貨は2次流通が可能な通貨なのです。
別の言い方をすると、
電子マネー:提供するサービスの代金を前金で受け取っている。
デジタル通貨:MUFGコインと言う商品を販売している。
と言う事です。
最初のシステム投資などには大きな資本が必要ですが、MUFGコインと言う独自通貨を作ってしまえば、コインを販売する事で無利息の資金調達が出来るという大きなメリットがあるのです。
しかし、民間企業が通貨を発行すると言う事になり、経済への多大な影響が予想されます。
経済への影響については、別の機会に考えたいと思います。
MUFGコインの展開
それでは、なぜAmazonの顔認証を使うのかを考えてみたいと思います。
デジタル通貨が一般化するかどうかは、
・利便性(利用できる店舗の数)をどれだけ上げられるか
・デジタル通貨の信頼性をどれだけ上げられるか
にかかっています。
デジタル通貨の信頼性は
・1コイン=1円の固定レート
・日本のメガバンクが保証する
という事で確保ができます。
となると、利便性をいかにして向上させるかがポイントになります。
そこで目を付けたのが、通販業界の巨人であるAmazonです。
現在はネット通販だけですが、AmazonGOが導入されれば、実店舗でもシェア拡大が見込まれる企業なので、提携する企業としては申し分ありません。
そのAmazonの決済手段に、MUFGコインが入る事が出来れば、利便性は大幅に向上します。
Amazonのメリット
Amazonとしても、三菱UFJ銀行と提携するメリットは大きいと考えています。
Amazonも、仮想通貨やデジタル通貨での決済は避けて通れない道になります。
特に、ビットコインなどのグローバル通貨だけではなく、MUFGコインなどのローカル通貨が必要になるからです。
Amazon独自の通貨を作る方法もあるかと思いますが、日本のメガバンクが取り扱う通貨を利用する事で、投資を抑える事ができますし、融資を引き出すのにも有利になります。
最終的に独自通貨を作るとしても、仮想通貨の黎明期は外部委託した方が良いとの判断でしょう。
(物流をヤマト運輸や日本郵便に外部委託しているのと同じ判断だと推測します)
さらに、三菱UFJ銀行で顔認証の実検証をしてくれるので、認証パターンや購入パターンなどのデータ蓄積が出来るメリットもあります。
Amazonと三菱UFJ銀行が目指す未来
Amazonと三菱UFJ銀行が目指している未来は同じ未来を目指していると思われます。
業種は、販売業と金融業で異なりますが
・カードや財布を持たない未来
・仮想通貨やデジタル通貨が、人に対してチャージされる
と言う世の中を目指しているんだと思います。
給与などの収入は、受け取った人の口座ではなく、人そのものにチャージされます。
買い物をすると、顔認証などで、買った人のチャージ金額から差し引かれます。
残高は、スマホなどでいつでも確認でき、誰かにお金を渡す時も、スマホを使って自分にチャージされたお金を送金します。
こんな世の中を目指して実験を繰り返しており、あと一歩で実現するところまで来ています。
かなり私の妄想が入った記事ですが、大きく外れていないと思いませんか?
今後もAmazonと三菱UFJ銀行に注目していきたいと思います。
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