ボラティリティ(Volatility)とは、価格変動の大きさを示す言葉です。
価格変動が大きいことを、ボラティリティが大きいと表現します。

基本的には、
「ボラティリティ = リスク」
と考えられており、
・ボラティリティが大きい商品 = ハイリスクハイリターン
・ボラティリティが小さい商品 = ローリスクローリターン
と言えます。

従って、ポートフォリオを組む場合は、ボラティリティの大きい商品と小さい商品を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスをとるのが一般的です。

ボラティリティの大小は、商品や時期、時間帯によって変化します。

 

銘柄によるボラティリティの変化

大型株は、ボラティリティが小さい傾向にあり、逆に小型株はボラティリティが大きい傾向にあります。
これは、株式を売買する参加者の人数によるためです。
大型株の場合は、発行株数が多いため、多くの人が売買に参加することになります。
そうなると、一人の思惑が価格に反映されにくくなりますし、市場には色々な考え方を持った投資家がいるため、一方方向に動きにくくなります。
反対に小型株は、売買に参加する人が少なくなるため、少人数の意見が価格に反映されやすくなります。
そのため、価格変動が大きくなる傾向にあります。

また、大型株の価格変動は基本的に少ない傾向にありますが、一度動き始めると大きな動きになることがあります。
これは、多数の投資家が同じ予想をした時で、一度動き出した価格は、少数の投資家が反対方向の売買を行っても価格の動きを止めるだけの取引が集まらなくなるためです。

 

時期によるボラティリティの変化

取引する時期によってもボラティリティに変化が起こります。
例えば、年末年始近辺はボラティリティが大きくなる傾向にあります。
特に欧米では、12月中盤から休暇をとる機関投資家が多く、クリスマスを過ぎると多くの投資家は休暇に入ります。
市場参加者が非常に少なくなるため、通常では価格にほとんど影響しない量の取引でも、価格を大きく動かすことがあります。

日本では、4月末~5月初(ゴールデンウイーク)や8月中旬(お盆)もボラティリティが大きくなる時期になります。

一日の中でも、ボラティリティが大きくなる時間帯があります。
株式市場の場合、前場の寄付きや大引け近辺は比較的ボラティリティが大きくなる時間帯と言われています。
これは、前日の市場が閉まった後に発表されるニュースによる取引や、短期投資家が翌日にポジションを持ち越さないようにするために、大きな取引が入る事が多いためです。

特に、前場の寄付きは、売りや買いの一方に偏った注文が入る事が多いため、大きく価格が動くことがあります。