ドルストレートとは、外国為替取引で、米ドルを軸にした価格設定する通貨の事を言います。
・米ドル/円
・ユーロ/米ドル
・ポンド/米ドル
など、米ドルに対して幾らの値段になるかと言う、価格設定がされています。

クロス通貨とは米ドル以外の通貨を軸にして価格設定した通貨を言います。
・ユーロ/円
・ポンド/円
・豪ドル/円
など、日本円に対した価格設定を行う場合は、「クロス円」と呼ばれています。

ドルストレートとクロス通貨

現在、世界の為替のほとんどはインターバンク市場と呼ばれる銀行間で取引されています。
インターバンク市場に参加している金融機関は、顧客からの注文や自社の取引として、通貨の両替レートを提示しています。
例えば、「米ドルと円を、1ドル110円で2000万ドル買い」や「米ドルと円を、1ドル111円で3000万ドル売り」などです。
インターバンク市場では、世界の基軸通貨である米ドルの取引が9割を占めており、その大半がユーロと米ドルの取引になっています。
そして、米ドル/円やポンド/米ドルと言った通貨が追随しています。
従って、各国通貨の為替レートは、米ドルを軸にした価格が提示されています。
インターバンク市場は金融機関の間の取引なので、取引頻度の少ない通貨は提示される頻度が少なくなります。
対ドル取引はある程度の取引が発生しますが、対円の取引は米ドルやユーロがほとんどで、ポンドや豪ドルなどは非常に少なく、南アフリカランドドルやトルコリラなどのマイナー通貨と円の取引レートは至ってはほとんど提示されないのが現状です。

それでは、南アフリカランドドル/円やトルコリラ/円はどうやって取引しているのかと言うと、
円から米ドルを購入し、米ドルから南アフリカランドドルを買うと言う、2段階の取引を行って実現しています。
為替レートも、「米ドル/円」と「南アフリカランドドル/米ドル」のレートを掛け合わせた価格が提示されています。

実際には存在しない為替レートを米ドルを経由して為替レートの算出を行っているため、「クロスレート」とか「合成通貨」とも呼ばれています。

理論上は日本と南アフリカ共和国の間では経済的な変動が何もなかった場合は、為替レートの変動はないはずですが、米ドルを経由した為替レートが提示されているので、アメリカと日本の間で経済的な変動が発生すると、南アフリカランドドル/円のレートも変動することになります。