値幅制限(ねはばせいげん)とは、取引所で売買される株価について、一日の取引価格の上限と下限(値上がりや値下がりの範囲)を決める制限(ルール)を言います。

値幅制限は、株価の乱高下を抑制することで、一日の値動きを制限し、投資家が不測の損害を受けることを防ぐ目的があります。

値幅制限の上限に達することを「ストップ高」、下限に達することを「ストップ安」と呼んでいます。

 

市場の過熱

株価と言うのは、人の思惑で大きく上下することがあります。
例えば、企業にとって良い情報が流れた場合は、その企業の株を買いたいと思う人が増える半面、売りたいと思う人が減ります。
そうなると、需要が供給を大きく上回ることになり、株価はどんどん上昇していきます。
株価が上昇すると、更に買いたいと思う人が増えて、更に値上がりすることもあります。
(買いが買いを呼ぶという現象です)
上昇した株価が妥当な株価なら問題ないのですが、市場が過熱しすぎると、適正株価を大きく超えた価格で売買されることもあります。
一日の値幅制限を設けることで、クールダウンの時間を作り、過熱した市場を鎮静化させるのが値幅制限の目的です。

過去の市場取引を見ると、ストップ高で取引が終わった銘柄が、翌日は値段を下げて取引が始まる事は多くあります。
これは、市場が終わった後に冷静になると、そこまで値上がりする要因はなかったと投資家が判断したからですね。
(もちろん、数日間ストップ高を続ける銘柄も多く存在します)

値幅制限は前日の終値を基に設定されます。
(前日に値段が付いていない場合は、そのまた前日の終値が基になります)

 

値幅制限一覧

基準株価(円) 値幅制限(円)
以上 未満 上下
100 30
100 200 50
200 500 80
500 700 100
700 1000 150
1000 1500 300
1500 2000 400
2000 3000 500
3000 5000 700
5000 7000 1000
7000 1万 1500
1万 1万5000 3000
1万5000 2万 4000
2万 3万 5000
3万 5万 7000
5万 7万 1万
7万 10万 1万5000
10万 15万 3万
15万 20万 4万
20万 30万 5万
30万 50万 7万
50万 70万 10万
70万 100万 15万
100万 150万 30万
150万 200万 40万
200万 300万 50万
300万 500万 70万
500万 700万 100万
700万 1,000万 150万
1000万 1500万 300万
1500万 2000万 400万
2000万 3000万 500万
3000万 5000万 700万
5000万 1000万

 

値幅制限の拡大

値幅制限は以下の条件を全て満たした場合、拡大されます。

・3営業日連続で、ストップ高 または ストップ安が続く
・3営業日連続で、ザラ場中の出来高がない
・3営業日連続で、比例配分がない

値幅制限の拡大方法は、
・ストップ高が続いていれば、上限値幅を2倍に拡大
・ストップ安が続きていれば、下限値幅を2倍に拡大
となります。