完全前受制(かんぜんまえうけせい)とは現物の「株式・債券・投資信託」などを買う際に、受渡金額を入金しておく制度を言います。

株式等の買付を行う場合、買付代金の支払いは受渡日に行うので、注文時にお金を入金しておく必要はありません。
しかし、多くの証券会社では買付代金の未回収を避けるために、完全前受制を導入しています。

完全前受制を導入していない証券会社でも、預かり資産の30%以内など、独自の基準を設けています。

前受け金の計算方法

完全前受制を導入している証券会社でも、受渡金額相当の現金を用意する必要はありません。

多くの証券会社は概ね以下のように前受け金の計算を行っています。

以下の金額の合計を前受け金として扱います。
・顧客勘定預り金 (前受け金に加算)
MRF残高 (前受け金に加算)
・当該取引の受渡日までに受取る売却代金 (前受け金に加算)
・当該取引の受け渡し日までに受取る「利金・配当金・償還金・分配金」 (前受け金に加算)
・当該取引の受渡日までに支払う買付代金 (前受け金から減算)

買付の受渡金額が前受け金より少ない場合は取引が可能となっています。