資金管理の重要性
いきなりですが、FXのトレードで一番重要なのは資金管理です。
資金管理ができていないと、どんな素晴らしい手法を持っていても必ず退場する事になります。
勝率100%の手法がある場合は資金を増やすことが可能ですが、絶対負けない手法など存在しないので実質的には資金管理が必要という事ですね。
(俺は勝率100%の手法で運用してるよって人は、その手法をこっそり教えてください(笑))
資金管理の重要性
それでは、資金管理が重要なわかりやすい例を挙げてみたいと思います。
あなたは以下のようなトレード手法を持っていたと仮定します。
・勝率50%
・リスクリワード比(負けと価値の比率)1:2
つまり、2回に1回は勝てて、利益は負けるときの2倍の金額を得られるという事です。
トレード手法がイメージしにくい場合、サイコロを振って奇数なら掛け金を没収、偶数なら掛け金の2倍が貰えると言うのをイメージしてください。
10回実践したら以下のようになります。
回数 | 収支 | 残高 |
1回目 | +100円 | 100円 |
2回目 | -50円 | 50円 |
3回目 | +100円 | 150円 |
4回目 | -50円 | 100円 |
5回目 | +100円 | 200円 |
6回目 | -50円 | 150円 |
7回目 | +100円 | 250円 |
8回目 | -50円 | 200円 |
9回目 | +100円 | 300円 |
10回目 | -50円 | 250円 |
10回のトレードで勝率だと250円の収益になります。
50%の勝率で、1:2のリスクリワード比なら資金は増えていくという事です。
ここまでの話しは皆さん既に理解していると思います。
リスク許容率
それでは、本題に入っていきましょう。
投資をする場合、複利効果を得るために資金に一定の比率を掛けた金額を運用する人が多いと思います。
自分の資金にたいして、どれくらいのリスクを許容するかと言う「リスク許容率」を設定して取引すると言う資金管理方法です。
例えば、1トレードの損失は資金の5%までに抑えるとか、10%までに抑えるとかです。
このリスク許容量を間違えると、勝てる手法が勝てない手法に変わってしまいます。
それでは、リスク許容率を50%に設定して先ほどと同じ手法でトレードしてみましょう。
所持金が100円で開始すると仮定すると以下のような結果になります。
回数 | 運用資金 | 収支 | 残高 |
0回目 | 0円 | 0円 | 100円 |
1回目 | 50円 | +100円 | 200円 |
2回目 | 100円 | -100円 | 100円 |
3回目 | 50円 | +100円 | 200円 |
4回目 | 100円 | -100円 | 100円 |
5回目 | 50円 | +100円 | 200円 |
6回目 | 100円 | -100円 | 100円 |
7回目 | 50円 | +100円 | 200円 |
8回目 | 100円 | -100円 | 100円 |
9回目 | 50円 | +100円 | 200円 |
10回目 | 100円 | -100円 | 100円 |
あら不思議、資金が全然増えません。
勝率50%でリスクリワード比が1:2と言う手法は儲かると言われている部類に入る手法だと思います。
しかも、連敗は一切しないにも関わらず資金が増えないんです。
ちなみに、勝率50%でリスクリワード1:2の手法で、資金の50%以上を超える金額をリスクとして使うと確実に破産します。
リスク許容率とレバレッジ率
例えば、1ドル100円の時の米ドルで、20pipsを損切ラインに設定した場合、レバレッジごとの資金の投入額は以下のようになります。
資金 | 建玉数量 | 損失額 | 損失比率 | レバレッジ |
10000円 | 100ドル | 20円 | 0.2% | 1倍 |
10000円 | 1000ドル | 200円 | 2% | 10倍 |
10000円 | 10000ドル | 2000円 | 20% | 100倍 |
10000円 | 25000ドル | 5000円 | 50% | 250倍 |
つまり、20pipsの損切ラインを設定する場合、レバレッジ250倍以上の取引を行うのなら勝率かリスクリワードを見直す必要があるという事です。
損切ラインを50pipsに設定したトレードでは、レバレッジ100倍になります。
国内FX業者を使っている人なら、最大25倍のレバレッジ率しか使えませんが、海外のFX業者を使っている人は888倍と言うレバレッジが使えます。
通常の取引でレバレッジ250倍を使用する人は、ほぼ居ないとは思います。
しかし、連敗を食らったり自身のあるトレードで負けて、熱くなって負けを取り戻そうとしたときに、高レバレッジで取引した経験はありませんか?
(私は何度も経験があります。)
難しいポイントや、通常なら絶対見送る場面でトレードしても、資金管理さえ出来ていればそこで発生する損失など小さなものです。
通常は資金の5%の損失で抑えるトレードをしていても、高レバレッジでリスク許容率を50%にしてしまうと一度の失敗で資金の半分を失ってしまう可能性があるのです。
トレードで熱くなって無駄な売買を増やしても、リスク許容率だけは死守しましょう。
レバレッジ率次第では勝てる手法でも資金を失うという事がわかっていただけれたかと思います。
適正なレバレッジ率
それでは適切なレバレッジ率(リスク許容率)はどれくらいなのでしょうか?
トレード手法によって変わるので一概には言えないのですが、トレードの勝率が50%でリスクリワード比が1:2の手法でトレードする場合を例にとって説明したいと思います。
まずは結論を言うと、「一度の損失は資産の5%以内で、適正なレバレッジ率は10以下」です。
レバレッジ率を考えるとき、「1回の負けでどれくらいの資産を減らすのか、また何連敗までを想定するか」が重要なポイントになります。
例えば、1回のトレードの損失を5%として10連敗まで想定する場合、10連敗した後の資産は約半分に減っている事になります。
(実際は半分にはなりませんが、計算を分かりやすくするために概ね半分になるとします)
資産が半分になった時でも同じポジションで取引する場合、国内FX業者を使用しているのなら、最初のレバレッジ率は12.5以内で取引する必要があります。
それでは10連敗と言うのはどれくらいの頻度で起こるのかを考えてみましょう。
連敗が発生する確率
連敗数 | 発生確率 |
1 | 2 |
2 | 4 |
3 | 8 |
4 | 16 |
5 | 32 |
6 | 64 |
7 | 128 |
8 | 256 |
9 | 512 |
10 | 1024 |
11 | 2048 |
12 | 4096 |
13 | 8192 |
おおよそ1000トレードに1回の確率で10連敗する可能性があります。
1日に5回トレードする人なら、1年に1度の頻度で10連敗する可能性があるわけです。
これから何年もトレードを続ける人なら、避けて通れないと思います。
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