移動平均線
移動平均線(いどうへいきんせん)とは、株式や外国為替のテクニカル分析で、使用する指標です。
移動平均線自体は、平均値が変化する様子を捉えるため、色々なジャンルで使用されていますが、「J・E・グランビル」により相場の分析でも使用できることが提唱されたことから、多くの投資家に利用されるようになりました。
移動平均線の作成方法
移動平均線は、過去の一定期間の価格の平均値から求めます。
例えば、5日の移動平均は、過去5日間の終値の平均値を求め、求めた結果をつなぎ合わせた点を結ぶことで、移動平均線として表します。
移動平均線は、ローソク足チャートと組み合わせて使用する事が多く、「短期・中期・長期・超長期」などの複数の移動平均線を組み合わせて利用することも多いです。
移動平均線の利用方法
移動平均線はシンプルなインジケーターですが、多くの情報を得ることができます。
移動平均線の動く方向(上向きか下向きか)によって、市場の方向性を掴むことができます。
移動平均線が上向きに推移している場合、市場の方向性としては、値上がり傾向にあるという事が読み取れます。
移動平均線の期間を変えることで、短期的な方向性から長期的な方向性を読み取ることも可能です。
例えば、
・短期の移動平均線は右上がり
・中期の移動平均線は右下がり
・長期の移動平均線も右下がり
と言うチャートであれば、
・中長期てきには下落傾向にある = 多くの投資家は値下がりすると予想している
・短期的には上昇傾向にある = 一部の投資家は値下がりしすぎと考えています。
と考えることが出来ます。
上記のチャートを総合的に判断すると、相場は長期的に見ると、値下がり傾向にあるが、短期的には値を戻す可能性がある。
と判断します。
中長期の投資であれば、売り取引(信用売り、ショートポジションなど)が有利になります。
短期の投資であれば、買い取引か、少し値上がりを待ってからの売り取引が有利になります。
複数の移動平均線のクロス
トレンドの変化が起こるとき、移動平均線が交わることでトレンドの変化を掴むことが出来ます。
短期移動平均線と中期移動平均線はトレンドが現れる期間が異なります。
・短期移動平均線は短期間の価格の方向性
・中期移動平均線は中期間の価格の方向性
を表すインジケーターです。
長く大きなトレンドが発生している場合は、全ての移動平均線が同じ方向を向いていますが、短いトレンドでは短期移動平均線と中期移動平均線が異なる方向を示すことがよくあります。
そして、短期的なトレンドが中期~長期的なトレンドに変わるときは、移動平均線が交わると言う事象が発生します。
【図1.ゴールデンクロスとデッドクロス】
「図1.」はローソク足チャートに短期の移動平均線と中期の移動平均線を表示した図です。
図中の丸で示したところで移動平均線が交わっているのがわかると思います。
(赤のラインが短期移動平均線、青のラインが中期移動平均線です)
赤の丸はゴールデンクロス、青の丸はデッドクロスと呼ばれています。
ゴールデンクロスは、短期移動平均線が上昇しながら交わる事を言い、今後値上がりが期待できるために黄金のクロスと言う意味で使われています。
デッドクロスは、短期移動平均線が下降しながら交わる事をいい、今後値下がりが予測されるのために、デッドクロスと呼んでいます。
「図1.」でも、ゴールデンクロスが発生した後は値上がりし、デッドクロス発生後は値下がりしているのがわかると思います。
このように、シンプルなインジケーターですが、投資判断に有益な情報をもたらしてくれる移動平均線は、多くの投資家が利用するインジケーターの一つです。
コメントを残す