株価や為替の価格は常に変動しています。

今回は、価格が変動する理由を考えてみましょう。

どんな商品でも、価格は需要と供給のバランスによって成り立っています。
欲しい人が増えれて、売る人が増えなければ価格は上がりますし、売る人の方が多ければ価格は下がります。
これは、生活必需品でも、株や通貨などの金融商品でも同じです。

それでは、金融商品の需要と供給はどのような要因がるのでしょう。

 

実需の要因

まずは、実需(じつじゅ)と呼ばれている要因です。

為替を例にとって説明すると、日本に住んでいる人が、アメリカに旅行へ行く際、アメリカで支払いを行うために、アメリカドルが必要になります。
日本国内で生活している場合、日本円を持っているので、日本円をアメリカドルに交換するのですが、通貨の交換(両替)は
日本円を売って、アメリカドルを買う
と言う行為になります。
他には、日本の自動車メーカーがアメリカで車を販売した場合、売上金はアメリカドルで受け取ることになります。
自動車メーカーは、日本の従業員に給料を支払わなければならないので、受け取ったアメリカドルを日本円に交換(両替)する必要があります。
そこで、アメリカドルを売って、日本円を買う事で日本円を手に入れます。

以上のように、何らかの活動を行う上で必要に駆られた売買を「実需の売買」と呼んでいます。

実需による価格の変動は、金融商品に限らず、実生活の様々な商品で発生しています。
一番身近な例で言えば、野菜の値動きや、ガソリンの価格です。
大きな要因としては、需要よりも供給量の増減になりますが、実需と供給のバランスで、価格が変動する身近な例だと思います。

 

投機的な要因

為替や株式の値動きに大きな影響を与える要因として、投機的な要因があります。
これは、売買差額で利益を得るために、売買すると言う行為になります。

株式を例にとって説明すると、とある企業の業績が良くなって、配当金が増えると予想された時、配当金目当てで株式を購入したいと考える人が増えていきます。
株式は発行株数が決まっているので、供給(流通株数)より需要が増えます。
そうすると、株価が値上がりすると言う現象が起こります。
逆に、発行企業の業績が思わしくない場合は、その企業の株を持ち続けるより他社の株式を保有する方が利益が得られるので、株を売りたいと考える人が増えていきます。
そうすると、株価が値下がりするという現象が起こります。

株価や為替の値動きは、企業の業績や、経済活動以外の要因でも発生します。

 

市場参加者の思惑

市場参加者の思惑は、投機的な要因の一つですが、時として大変大きな値動きに発展します。

市場参加者の思惑で大きく価格が変動したのは
・バブル景気
・仮想通貨の高騰
などが挙げられます。

バブル景気では、株や土地が大きく値上がりしました。
特に、株価は、日経平均が3万円後半まで上昇し、「4万円を超えるのでは?」と言う予想まで出ていました。
この時の株式市場は、「株や土地は必ず値上がりする」と言うムードが市場を包んでおり、実際に株価や地価はどんどん上昇していきました。
株価や地価が上昇すると、株や土地は儲かるという話しが独り歩きし始め、今まで投資に興味がなかった層の人まで、株や土地を買うようになりました。
どんどん需要が増えていき、本来の価値を超えた価格になっても、買い手は減らず、史上最高値を更新し続ける事になりました。

2017年の仮想通貨の高騰も同様の要因で、通貨としては不完全な仮想通貨に買いが殺到し、大相場を演出することになりました。
仮想通貨の価値は色々な要素が重なり合って決まりますが、2017年後半の価格高騰は、高騰に乗り遅れたくないと考える、「市場参加者の思惑」が大きく働いた事象だと考えています。

市場参加者の思惑で動いた相場は、反動も大きくなる事が多く、バブル景気のあとは、日経平均は最大で4分の1まで値下がりしています。
仮想通貨は、2018年4月時点で3分の1近くまで値下がりしており、いづれも大きな反動が発生しています。