先物取引とは将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引のことです。現時点では売買の価格や数量などを約束だけしておいて、将来の約束の日が来た時点で、売買を行います。

通常の現物取引は、現在の価格に対して売買の契約を行い、売買の契約が成立すると、お金と現物の交換をすることで取引が完了します。

先物取引は、将来の約束した日に売買を行うので、契約を行う時点では商品や現金を持っていなくても良いのです。

現物取引と先物取引の取引の例を見てみましょう。

現物取引

A社の株を1000円で100株売りたい人とA社の株を1000円で100株買いたい人がいたとします。
お互い、金額と数量が合意できたので、A社の株の売買が成立します。
売買成立後は、株式の受け渡しルールに従って、現金と株式の受渡を行います。

先物取引

今はお金がないけど、将来A社の株を考えている人と、A社の配当金を受け取った後にA社の株を売りたい人がいたとします。
将来買いたい人と売りたい人の双方が、取引する日(例えば半年後)と金額(例えば現在の株価(1000円))で売買する約束をすることが先物取引になります。
半年後の約束の日に、A社の株と現金を交換することができますが、受渡日の株価と、取引の約束をした日の株価の差額を決済することも可能です。
株価の差額で決済することを、「差金決済」と呼んでいます。