仮想通貨・暗号通貨
仮想通貨(かそうつうか)とは、広い意味では貨幣や紙幣などの実物が存在しない通貨で、電子データのみで取引を行う通貨を言います。
オンラインゲームやコミュニティなどの特定のサービスで使用できる通貨や、広義ではSuicaやPASMOも仮想通貨の一種と考えられます。
通貨の偽造防止のために、暗号化された通貨は「暗号通貨(あんごうつうか)」とも呼ばれています。
仮想通貨の定義
現在、一般的に仮想通貨と呼ばれている通貨は以下の特徴があります。
・電子データのみで取引されている
・公的機関や中央銀行以外が発行している
・通貨に付随していない
上記の特徴から言えば、SuicaやPASMOは「円」と言う通貨に付随しているので、仮想通貨とはみなされない事がわかります。
ビットコインは上記の条件を満たしているため、仮想通貨として定義されます。
多くの仮想通貨は、通貨に対する裏付け(1通貨で金1gと交換するなど)は持っていませんが、オンラインゲームやコミュニティなどのサービスに対する支払いに使用することができます。
仮想通貨の発行者は、発行者がサービスを提供するための出資金として仮想通貨を販売し、仮想通貨の購入者は発行者が提供するサービスを利用する際の決済手段として仮想通貨を使用します。
一般的には仮想通貨が使えるサービスが増えるほど、仮想通貨の価値が高くなります。
主要な仮想通貨
仮想通貨はどれくらいの種類が発行されているのでしょうか。
2018年2月25日時点で発行されている仮想通貨は1519種類です。
今後もICOを予定している仮想通貨がたくさんあるので、まだまだ増え続けると予想されます。
2018年3月現在で時価総額の多い仮想通貨は
1位:ビットコイン(BTC) 17兆6068億円
2位:イーサリアム(ETH) 8兆7419億円
3位:リップル(XRP) 3兆9590億円
4位:ビットコインキャッシュ(BCH) 2兆1507億円
5位:ライトコイン(LTC) 1兆2198億円
6位:カルダノ(ADA) 8881億円
7位:ネオ(NEO) 8132億円
8位:ステラ(XLM) 6955億円
9位:イオス(EOS) 5992億円
10位:アイオタ(IOT) 5243億円
になります。
仮想通貨のメリット
仮想通貨は公的機関や中央銀行が管理しない通貨で、通貨に付随していないのが特徴です。
中央銀行や公的機関が管理していないという事は、各国の経済情勢の影響をうけにくく、世界中で同一の価値を持ちます。
例えば、ビットコインが日本でもアメリカでも利用できるなら、アメリカに行く際も通貨の両替は不要となります。
また、送金の手数料が安いため、国際送金も安い手数料で行えます。
多くの仮想通貨はブロックチェーンと言う技術を使用しているため、
・システムトラブルに強い
・データの改ざんが難しい
・取引の透明性が高い
・暗号化技術により、匿名性が高い
などのメリットもあります。
仮想通貨のデメリット
仮想通貨のデメリットはメリットの反対になります。
中央銀行や公的機関が管理していないので、主要通貨に比べると信頼性が低くなります。
特に、ICOなどで売り出される通貨は、流通実績がないので、通貨として残れるかどうかは発行者に依存されます。
悪質な発行者の場合は、ICOで得た資金を持ち逃げすると言う事件も発生しています。
各国の経済状態の影響は受けにくい代わりに、仮想通貨固有の事象により価格が乱高下する可能性があります。
例えば、仮想通貨が使えるコミュニティの増減は仮想通貨の価格に大きく影響しますし、仮想通貨に対する法規制が入ると価格に影響があると思われます。
匿名性が高い反面、マネーロンダリングの温床になりやすいと言うのもデメリットと考えられます。
政府の視点から見たデメリットは、
政府が管理する通貨以外の通貨の割合が増えた場合、金融政策が効かなくなる。
と言うデメリットがあります。
政府は経済状態を見ながら、通貨の流通量や金利の設定をし、インフレ率などの経済調整を行っています。
これは、自国で発行・管理する通貨だから出来ることで、仮想通貨の流通量が増えると金融政策の効果が薄くなります。
仮想通貨の今後
仮想通貨は今後も通貨として流通していくのではないかと考えています。
今現在は、仮想通貨の信頼性に不安があったり、各国政府がどのような対応を取ってくるか未知な部分がありますが、これからグローバル社会が進んでいくと、世界中で決済できる共通の通貨の必要性は益々高くなると予想されます。
また、国際送金が安価で迅速にできると言うのも仮想通貨の大きな強みと考えています。
主要通貨に比べると信頼性は低いですが、政治が不安定な国では、自国の通貨を持つより安全と言う考え方もあります。
従って、仮想通貨は徐々にシェアを広げていく通貨と考えています。
しかし、各国の通貨も残り続けると考えています。
しばらくの間は、仮想通貨の価格は安定しないと思われ、安定しない通貨は日常利用する通貨として成り立たないと言う理由です。
また、政府としても、金融政策が行えるように仮想通貨に対して何らかの規制を行う可能性が高いと考えています。
コメントを残す