2018年3月15日現在、仮想通貨の値下がりが止まりません。

今回の暴落している原因は、googleが仮想通貨や仮想通貨のICOの広告を全面禁止にすると言う報道にともなった下落のようです。
(適用開始は2018年6月から)
Facebookは2018年1月から仮想通貨の広告を禁止しており、googleもそれに追随する形になります。
仮想通貨の広告の全面禁止のニュースが流れると、8,238USD/BTCと年初最安値を更新しています。

2017年は仮想通貨の値上がりが大きなニュースになった年でしたが、2018年は年初から仮想通貨には厳しい年になっています。

今後、仮想通貨はどうなっていくのでしょうか。
仮想通貨は、一定の需要は残り続けるので、仮想通貨の存在がなくなる可能性は大変低いと考えています。

今回のコラムは、仮想通貨がメジャーな通貨になるための道を考えたいと思います。

 

今現在の通貨としての価値

今現在の仮想通貨は、「通貨としての価値はほぼゼロ」と考えて差し支えないと思います。
ここで言う通貨の定義は、
・多くの場所で、決済手段として使用できる。
・信用力。
・価値が安定している。
などです。

身近な通貨である「円」と、仮想通貨のなかで時価総額が一番多い「ビットコイン」を比較してみましょう

ビットコイン
決済手段 日本国内のほぼ全ての店舗で決済手段として利用が可能。 利用できる店舗はまだまだ限られており、日本国内で利用できる店舗は全体の1%にも満たない。
信用力 通貨の価値は政府が保証しており、日本国内では法定通貨として無期限に通用する強制通用力が付与されている。 ビットコインには管理者がいないため、利用者間の信頼のみ。
価値の安定 絶対的な安定は保証されていないが、大きな価格変動が発生しないよう、金融政策を実施している。 通貨の管理者が存在しないため、市場の需要に大きく左右される。

このように、ビットコインを例にとると、通貨として利用するには解決しなければならない事があるのがわかったと思います。
それでは、仮想通貨が市民権を得るためのハードルを越えられるのかを考えていきたいと思います。

 

決済手段

通貨である以上、利用出来なければ意味がありません。
例えば、「ゼニー」と言う通貨を発行したとしても、使えるところがなければ、何の価値もありませんよね。

仮想通貨はどうでしょうか?
ビットコインを例にとると、大手の家電量販店やネット通販でビットコインで支払える店舗が増えてきています。
現在は、通貨として取り扱うと言うより、ビットコインでも買い物ができると言う話題作りが目的に近いですが、利用者が増えてくれば、対応店舗も増えていくので、決済手段としてはこれからも広がっていく事が良そうされます。

 

信用力

ビットコインは価値を保証する管理者はいませんが、利用者が価値を認めることで、一定以上の信用力は発生します。
先進国の通貨と比べると信用力は下がりますが、政治や経済が不安定な国の場合、国が管理する通貨より、利用者全員で価値を保証する通貨の方が信用できると考える人もいます。
仮想通貨全体を見ると、信用力はありますが、通貨個別の信用力は通貨により異なってきます。
利用者の多い仮想通貨は、それだけ多くの人が価値を保証していますが、ICO直後の仮想通貨は相対的に信用力は低くなります。
また、現在は利用者が多くても、将来的に他の通貨に利用者が流れるようになると、信用力も下がってくることになります。

 

価値の安定

仮想通貨が通貨として利用されない最大の原因が価値の安定です。

通貨として流通するには、価値の安定は必須条件になります。

各国で発行されている「法定通貨」も、価値は変動しています。
インフレ率の目標が存在しており、急激な物価(≒通貨価値)の変動を抑えるため、様々な政策が行われています。
日本のインフレ率は年間2%を目標にしており、これは年間の物価(≒通貨価値)変動を2%上昇に抑えると言うことになります。

為替相場では日々価格変動がありますが、これは外国の通貨間の価格変動であり、国内での価格変動はかなりゆっくりした動きになります。

ビットコインに目を移してみると、ビットコインは日々価格が変動しています。
変動が大きい日は、10%近い値動きがあります。
円と比較すると、円の1年間の値動きの5倍の変動が1日で発生することになります。
2017年から2018年までのビットコインの値動きは、
10万円 ⇒ 200万円 ⇒ 70万円
と言う動きになります。
これを実生活で考えると、
50Vの4Kテレビの価格が
2017年1月:2BTC
2017年12月:0.1BTC
2018年2月:0.3BTC
になったことになります。

こんなに値動きが大きな通貨は使えないですよね。
値上がりするのは問題ありませんが、数か月で3分の1になる可能性があるお金を保有するのは大きなリスクが伴います。

 

通貨への道

仮想通貨が通貨として定着するには、価格の安定に尽きると思います。
どうやったら価格が安定するのか?
一つの方法としては、「本位貨幣」です。
本位貨幣とは、通貨が金や銀に裏付けられている貨幣です。
金や銀でなくても、何かの商品に裏付けがあれば、価格は安定します。
仮想通貨とは異なりますが、Suicaやnanacoなどの電子マネーは「円」に裏付けられた価値があるので、安心して保有する事ができます。

商品やサービスに裏付けられた仮想通貨が一般化すると、仮想通貨の環境が大きく変わってくると思われます。