ポートフォリオとは、直訳すると書類を運ぶ、平らなトレーです。
もう少し分かりやすい表現をすると、「クリアーファイル」のような物をイメージしていただければ良いかと思います。

金融用語のポートフォリオは、分散投資をする際の銘柄一覧を意味します。
運用している商品を、ファイルに綴じて見やすくしている様子をイメージしていただければわかりやすいかと思います。

 

ポートフォリオの考え方

ポートフォリオの概念は、投資で有名な「卵を一つの籠に盛るな」と言う格言に基づいた投資方法です。

卵を一つの籠に盛っていると、籠を落とした時に全ての卵が割れてしまいます。
しかし、卵を複数の籠に入れておけば、万一籠を落としても、他の籠の中にある卵は割れずに残ります。
「一瞬で全ての卵を失わないように、分散して保管しましょう」と言う教えですね。

卵を資金、籠を銘柄に例えて、
自分の資金を一つの銘柄に投資すると、その銘柄に何かあった時に、資産を全て失ってしまう
と言う意味で使われる格言です。

つまり、分散投資を進める格言です。

ポートフォリオは、分散投資している銘柄の選定方法や選定基準を表したり、具体的な銘柄を表します。

それでは、分散投資とはどのように銘柄を選べば良いのでしょうか。

 

株式投資の場合

株式投資の中の分散投資は、色々な銘柄に分散して投資すると言う手法になりますが、銘柄の選定によっては分散投資にならないこともあります。
分散投資にならない典型的な例は、「同じ業種の銘柄のみ保有している」です。
例えば、2銘柄保有する際に、
三菱UFJ銀行と三井住友銀行を保有するとします。
この場合、どちらも銀行業なので、銀行関連でマイナスとなる事象が発生すると、両方の銘柄が値下がりするので分散投資とは言いにくいです。
トヨタ自動車と日産自動車の2銘柄に投資する場合も同じですね。
分散投資として良いポートフォリオは、金融機関と製造業の銘柄をそれぞれ保有するなど、異なる業種の銘柄を保有した方が良いでしょう。
日経225投信などの上場投信を保有しつつ、個別の銘柄にも投資するのも、ポートフォリオとしては良いポートフォリオだと思います。

 

外国為替取引

FXや外貨建MMFなどの外国為替取引についても、良いポートフォリオと悪いポートフォリオがあります。
以下のようなポートフォリオは投資としては好ましくないと言われています。
・ユーロとポンド
・米ドルとカナダドル
・ニュージーランドドルと豪ドル
いづれも、ヨーロッパ・北米・オセアニアと言う似たような経済圏の国です。
例えば、ユーロ圏で経済的に不安が発生した時は、イギリスも影響を受ける事が多くなります。
反対のポジションを持つのであれば、リスク分散になりますが、同じポジションではリスク分散にはなりません。

良いポートフォリオとしては、
・ユーロと豪ドル
・米ドルと日本円
など、経済圏の異なる通貨になります。

 

複数の金融商品

株式だけでなく、債券や投資信託も保有すると言うリスク分散の方法もあります。
例えば、株式と国債の組み合わせは一定のリスク分散になります。
株式と投資信託の組み合わせも、ポートフォリオとしては良いのですが、少し注意が必要です。

投資信託は、株式を運用対象にしている商品が多く、運用先の銘柄によっては、リスク分散にならない事があります。
例えば、ソフトバンクやNRIなどのIT関連企業の株に投資している場合、IT関連株に投資する投資信託は避けた方が良いでしょう。