フィンテックによって変わっていく社会
フィンテックが進んでいくと社会はどのように変わっていくのか?
これからの社会は、今までの数倍のスピードで変わっていくと考えています。
変化する対象は、
・金融業界
・労働の種類や働き方
・学校教育をはじめとする知識
・物の価値感
・国と言う概念
恐らく、世の中にある全ての物や考え方が大きく変わると思います。
証券大学としては、今後の金融業界がどのように変わっていくのかを考えていきたいと思います。
金融業界の変化
まずは、現在のサービスと今後のサービスの変化を考えたいと思います。
金融業界が提供するサービスは、以下のようなサービスがあります。
・預金
・融資
・送金
・決済
・株式や債券の金融商品売買仲介
・通貨の管理
これらは、銀行・証券会社・信販会社等が執り行っているサービスです。
今までは、上記のような業務のほとんどを、銀行・証券会社・信販会社が担ってきました。
法律面や、インフラ整備、システム構築、資金力、信用力など、参画するには高いハードルが存在しているため、大手企業でなければ参画できなかったのが現状でした。
ところが、近年ではIT技術の進歩が進み、
・インフラの共有化が進み、インフラ構築にかかるコスト低下
・アジャイル開発による、システム開発コストの低下
・データのクラウド保管によるシステム運用コストの低下
・ハードウエア価格の低下
が起こり、参画に必要なコストが大幅に少なくなりました。
このような背景から、資金がなくてもアイディアがあれば金融業界に参画できるような環境が揃い始めました。
預金・融資・金融仲介は、法律の規制があるので、参画するには高いハードルをクリアする必要がありますが、それ以外の分野では、比較的簡単に参画する事が出来、実際に金融機関以外のIT企業がサービスを提供し始めています。
決済手段の多様化
決済手段とは、買い物などをした際に、料金を支払う手段を言います。
現在の決済方法は現金、クレジットカードや電子マネーが一般的な決済手段です。
特に日本では現金での決済が非常に多く、若干古い情報ですが、2015年時点では約半分の決済に現金が使われていました。
ちなみに、海外に目を向けると、キャッシュレスの決済が進んでおり、お隣の中国では9割の決済が現金以外の方法で決済されています。
(中国では、現金を受付けてくれない店も登場しています)
スウェーデンにおいては、現金決済は2%になっているそうです。
日本が現金決済が多い理由は、通貨の信用が高いと言う理由もあるようです。
海外では、偽札を掴まされるリスクが若干高いため、現金(特に高額紙幣)を持ちたがらない人が多いですが、日本は偽札の流通が極めて少ないためです。
また、カード決済より現金決済を好む国民性も原因で、年齢が高くなるほど、現金決済の比率が高くなっています。
しかし、今後はクレジットカードや電子マネーなどの決済が増えていく事が予想されます。
特に、SuicaやPASMOを代表とする電子マネーと、ApplePayなどの非接触型のFeliCaサービスがシェアを広げていく事が予想されます。
また、LINE Payも今後増えていくと考えられますし、もう少し長い目で見れば、仮想通貨を使った決済も増えていくと思われます。
送金の多様化
送金についても、変化が始まっています。
今までは、個人同士でお金のやり取りをするには、現金の受け渡しか、銀行口座間の送金(振り込み)のみでした。
しかし、LINE Payと言う電子マネーが登場したことで、大きく変化すると思われます。
LINE Payは、銀行口座からLINE Payに現金をチャージする事で使用する事が出来ます。
用途は、
・買い物の支払い
・個人間の送金
に使用できます。
個人間の送金は手数料無料なので、気軽に送金が出来るようになりました。
気軽に送金できると言う事は、食事代金を割り勘にする時も、現金でなくLINE Payで送金できるので、小銭などの持ち合わせがなくても問題ありませんし、後日割り勘と言う場合でも、現金を持っていく必要がなくなります。
資金確保の多様化
フィンテックにより資金調達や出資の概念も変化しています。
今までの資金調達は、銀行などの金融機関から融資を受けるか、株式や債券などを発行して資金調達するのが一般的でした。
しかし、「ソーシャルレンディング」と言う資金調達方法が開発されたおかげで、資金調達の方法も変わり始めました。
ソーシャルレンディングはインターネットを利用して、お金を借りたい人とお金を貸したい人を結びつける融資仲介サービスです。
融資を受けたい企業(人)は、仲介者に、借りたい額・使途・業績などの情報を提供します。
仲介者はその情報を基に、融資先の格付を行います。
出資者は、仲介者が付けた格付や金利を検討し、出資の判断を行います。
このように、今までは銀行のみが行っていた融資も、フィンテックにより個人でも参画できるようになりました。
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