テクニカル分析(Technical analysis)とは、証券投資において過去に発生した値動きや出来高をもとに、将来の値動きを予測する投資手法です。
市場の需給などをもとに、将来の値動きを予測するファンダメンタルズ分析とは反対の投資手法にあたります。

テクニカル分析は多くの投資家が使用しており、ファンダメンタルズ分析を主体としている場合でも、テクニカル分析を併用する投資家が多数を占めています。

テクニカル分析の代表的な手法には
・ダウ理論
・エリオット波動理論
などがあります。

また、いろいろなインジケーターにもとづいた投資判断や、レジスタンスラインやサポートラインにもとづいた投資判断もテクニカル分析を使用した投資手法になります。

テクニカル分析の基本概念は、過去に起こった事象はもう一度再現すると言う概念です。
・価格が底値を割り込んだら一気に下げる事が多い
・前回安値手前で折り返したときは、前回高値を超える事が多い
など、過去の値動きと、その統計をもとに投資判断を行います。

 

テクニカル分析の有効性

テクニカル分析に基づいた投資手法は、多くの投資家が利用しています。
また、テクニカル分析の結果は似たような投資判断をする投資家が多いため、値動きに法則性が生まれやすいのが特徴です。

例えば、史上最高値に価格が近づいている場合、高値付近の値動きに多くの投資家が注目します。
買いポジションを持っている投資家は、利益を確定するタイミングを待ちます。
売りポジションを持っている投資家は、価格が上げ止まるかを注目しています。
ポジションを持っていない投資家は、高値を超えるかどうかを注目しています。

この状況で高値を超えた場合、様子見をしていた投資家が買いポジションを持ちに行きます。
また、売りポジションを持った投資家が損切(買い取引)をしてポジションを解消してきます。
2種類の考えを持った投資家の思惑が重なることで、値段が大きく動きます。

高値を超えなかった場合、
買いポジションを持っている投資家は、ポジションに見切りをつけて、ポジションを解消してきます。
価格が下がり始めると、様子見していた投資家が売りポジションを持ちに行くため、更に価格が下落します。

上の例でわかるように、どちらに動くかは上がると考える投資家と、下がると考える投資家のより多い方向に動くことになります。
従って、テクニカル分析は確実な値動きを知ることはできないと言う事がわかります。

テクニカル分析を使用した投資は、「統計上、上がる(下がる)可能性が高い」と言う使い方になるでしょう。
一つ一つの取引にテクニカル分析の効果は低いですが、取引を重ねることで統計に近づけることが可能になり、結果的に投資で利益を得ることが可能になります。