証券会社のシステムを開発したあとはシステムリリースと言う作業を経て開発したシステムを業務で使用するようになります。

システムリリースを行ったあとは、実業務で正しく動いているかを確認します。

このシステムリリースの確認が曲者で、確認作業で色々なドラマが繰り広げられます。

システムリリースの確認方法

システムリリースの確認は、改修したプログラムが正しく動くかを確認するので、例えば株の売買プログラムを変更したら、株の売買が正しく行えるかを実業務で確認します。
もちろん開発時にテストはしているのですが、実業務で正しく動くことを確認するまでは処理を監視しておく必要があります。

システムリリースは、小さなプログラムの修正から、システムリプレース(システムの全面置き換え)まで色々な大きさがあります。

取引画面のデザインを少し変更したとか、売買手数料の計算式を少し変更した程度の小さな修正や、頻繁に発生するような取引を確認するのならあまり問題にならないのですが、大規模なシステム改修や、レアな取引の処理を修正する場合、プログラムが正しく動いているかを確認したくても、その取引が発生するまで気長に待つと言うのも困ります(取引がはっせいするまで常に監視していると日常の業務にも支障をきたします)

そんな時はどうするか。

「誰も取引をしないのなら自分でやれ!」

となります。
メジャーな取引はお客様もしてくれるので、だれもやらないようなマイナーな取引です。
しかも、市場に取引を出さなければならないので、自腹で取引しなければなりません。
儲かるなら喜んでやりますが、だいたいは損するので何とか避けようと無言の攻防戦がはじまるのです。

例えばこんな感じの会話になります。

「投資信託を買って、翌日に売る確認だれがやる?」
そんな事をしたら手数料で確実に損をするやん、絶対嫌やー

しばらく無言の時間が続きます。
誰も前を見ようとしません。
見かねたマネージャーが

「おい、山田~! 今回はお前がやれや~!」

この鶴の一声で決まります。
もちろん損失補填などありません。

こんな感じでシステムリリースの確認をしていくのでした。