インフレ・デフレ
インフレ・デフレとは
インフレとは、インフレーション(inflation)の略で、デフレとは、デフレーション(deflation)の略です。
ある期間の物価が上昇したり下降したりする経済状態をインフレ・デフレと表現するのですが、株式・債券・不動産などの価格変動は、インフレ・デフレの定義には含まれません。
インフレーション(inflation)
インフレーションとは、ある期間に物の価値が上昇する経済現象です。
物の価値は、需要と供給のバランスで決まります。
インフレーションは、需要が供給を上回ることで、発生します。
人口の増加や経済発展に伴うインフレ
通常の経済では、人口(需要)は緩やかに増加しています。
そうすると、市場に出回っている商品(供給)より需要が上回るため、価格を上げても商品が売れるようになります。
そこで、価格の上昇が始まり、価格上昇で得た利益は生産者に還元され、さらなる購買意欲を上げる事で更なる需要を呼ぶようになります。
健全と言われている経済状態では、緩やかなインフレーションが発生しており、各国の政府も一定のインフレ率で経済が動くように政策を行っています。
通貨の過剰供給によるインフレ
インフレのもう一つの要因は、通貨の過剰供給によるインフレがあります。
物価は、物の量と通貨の量に比例します。
理論上、物の量が変わらず通貨の量が2倍になると、物価は半分になります。
例えば、政府が国債を発行して、中央銀行がそれを受け入れると、政府は国債を発行して得たお金を市場に投入します。
市場には新たなお金が増えるので、通貨の流通量が増えてインフレが起こります。
デフレーション(deflation)
デフレーションとは、インフレーションの反対で、ある期間に物の価値が下降する経済現象です。
インフレと同様に、需要と供給のバランスが崩れる事ですが、供給過多または需要不足のために物価が下降するのがデフレになります。
経済発展状態のときに見られるインフレに対して、デフレは経済後退のときに見られる現象です。
一部の商品が需要不足になるのは、経済全体では特に問題視されませんが、市場全体の物価が需要不足になるという事は、
・人口の減少
・経済規模の縮小
などが原因になります。
バブル景気により拡大しすぎた経済規模が縮小する場合に発生しますが、デフレが長期化すると、失業者の増加・企業の倒産など経済全体に与える影響が大きくなり、
失業者の増加 ⇒ 更なる需要の減少 ⇒ 更なる失業者の増加
と言うデフレスパイラルに陥る可能性があります。
インフレとデフレ
インフレとデフレを比べると、適度なインフレは経済的に好ましいと言われています。
・物価上昇に伴う、企業収益の増加
・企業収益の増加に伴う、給与所得や雇用の増加
・所得や雇用の増加に伴う、需要の増加
このように、好景気のスパイラルが起こりやすいのはインフレが進んでいる時です。
しかし、需要増加に伴う物価上昇が、給与所得や雇用の増加につながるにはタイムラグがあるため、急激な物価上昇は経済にとってマイナス要因となります。
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