visitor 2020-05-12

【お金は水の流れと同じ】と言う考え方をわかりやすく説明しました

お金を堰き止めるとお金が回ってこなくなる

お金は常に動かさなければならない

など、お金の動きを水の流れのように表現しているのを聞いたことがある人も多いと思います。

また、お金を血液に例えて、血管がつまるとその部分が壊死してしまうのと同じでお金の流れを止めてはいけないと言う意見もあります。

 

う~ん。わかるようなわからないような・・・

 

 

どちらも良く聞く話ですが、いまいちピンときませんよね?

 

という事で、お金を水の流れに例えた話しをわかりやすく解説してみました。

 

お金は流れている

お金を水や血液に例えていますが、どちらにも共通しているのは「流れる(流動性)」という事です。
お金が流れると言うのは少しイメージしにくいかも知れませんが、色々な資産の中で最も動きがある資産と言っても過言ではありません。

もう少しイメージしやすく言うと、お金は人から人へ移動することで価値を発揮する資産です。
お金を持っていても、誰かに渡す事で初めて意味があります。
例えば1億円の現金を持っていても、誰にも渡さなければお金の価値はありません。(ただの紙や金属片です)
何かを買う時、何かを依頼する時、物や行動の対価としてお金を受け渡します。
自分から第三者に渡す事で初めてお金は価値を持つのです。

土地や家は生活したり物品を保管する事で価値を発揮しますし、車や飛行機は人は物を運ぶことで価値を発揮します。
つまり特定の人のもとで価値を発揮する資産です。
土地も飛行機も自分が所有している時点で価値を発揮しています。

違う観点から見ると、物もお金も使うことで価値を発揮するのですが、お金を使うと言う事は自分の手から離さなければ使えないと言う事になります。

 

お金の流れとは

お金の流れを理解するには、現実の社会に置き換えて考えてみると良いでしょう。
実社会は非常に複雑ですが、出来るだけシンプルに考えてみます。

出来るだけシンプルにしたいので、世の中に2人だけ人が居ると想定します。

支払ったお金が戻ってくる

あるところに一郎さんと次郎さんが居ました。
一郎さんは野菜を作って生活しています。
採れた野菜は半分は自分で食べて、半分は次郎さんに売ります。

次郎さんは肥料や種を作って生活しています。
作った肥料や種は一郎さんに売ります。

このように、一郎さんと次郎さんはお互いが必要な物を購入して生活しています。
「二人だけならお金は不要だろう」「物々交換でいいんじゃね?」
など、ごもっともな意見はとりあえず聞こえない事にして先に進みます。

ここで注意していただきたいのが、一郎さんも次郎さんも生活するのに10万円と言うお金が必要です。
という事は、
10万円 + 10万円 = 20万円
と言うお金が必要になりそうですが、上の例では10万円のお金が二人の間を行ったり来たりしているので、二人の世界では10万円だけあれば生活が成り立つのです。

これは現実の社会でも起こっている事象です。
2019年時点の日本の通貨は約112兆円です(2019年12月31日の日銀が発行している紙幣の発行数)
2019年の日本のGDPは約522兆円なので、通貨発行額の5倍のお金が動いています。
言い換えてみると、日本で経済が動くには500兆円以上のお金が必要ですが、発行されているお金は5分の1しかなく、お金が流れているから成り立っているという事です。(細かい部分は違う事もありますが、概ね上記の事が言えます)
もし、どこかでお金の流れが止まると、日本全体の経済が滞る事になります。

お金の流れが止まると社会が破綻する

上の絵の例で言えば、「一郎さんが今年は肥料や種は要らない」と言って次郎さんから何も購入しなければどうなるでしょう?
次郎さんは肥料や種を売ったお金で食料を買っているので、食料を買う事ができなくなります。
次郎さんが破綻すると肥料や種を作る人がいなくなるので、結果的に一郎さんも野菜を作れなくなってしまいます。

一郎さんがお金の流れを止めた事で一郎さん自身の生活も出来なくなってしまうのです。

実社会は色々な人が同じ役割を担っており、誰かが破綻しても他の人がフォローできるので問題は発生しにくいですが、不景気などで消費が落ち込むとフォローできる人が足りなくなってしまい、結果的に経済が落ち込むことになります。

 

不景気のロジック

先ほど紹介したのは一郎さんと次郎さんの二人だけの社会ですが、現実の社会でも同様の事が起こります。

社会では何度も不景気と言われる時期がありました。
バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災、コロナショック
いづれの不景気も物が売れずに倒産する企業が続出しました。

不景気になると「お金が無い」と言う企業や家庭が増えていきます。
変だと思いませんか?
不景気になっても世の中に出回っているお金が減ったり無くなったりしません。
お金の総量が変わらないのになぜお金が不足するのでしょうか?

それは「お金の流れが滞るから」です。

好景気時のお金の流れ

まずは景気が良い時のお金の流れを見ていきましょう。

世の中の景気が良ければ、どんどん物が売れていきます。
物が売れると言う事は、作る人の仕事が増えます。
仕事が増えると収入が増えます。
収入が増えるので、色んな事にお金を使うようになります。
お金を使うようになると、より一層物やサービスの需要が増えていきます。
企業は人を確保するために給与を上げたり、福利厚生を充実されるようになります。
給与を上げるには商品を値上げする必要もありますが、世の中全体の収入も増えていくので企業の収入も増えていきます。

全ての経済活動がプラスにはたらき、景気の上昇が加速していきます。
1980年にはじまった「バブル景気」はまさにこの状態でした。
バブル景気は株や土地の値上がりが話題になっていますが、株や土地の売買とは無縁の普通のサラリーマンも企業の業績アップもあり、年に3回以上ボーナスをもらっていた人も多く居ました。
物が売れる事で起業の業績がアップし、給与が上がるので余計に物が売れると言う好景気の循環が続いた時代でした。

不景気時のお金の流れ

不景気のお金の流れはどのようになるか考えていきましょう。

不景気になると多くの人が将来の収入に不安を感じます。
実際に仕事が減ったりなくなったりして収入が減る人も出てきます。

収入が減ると物を買うお金が無くなります。
食料や光熱費などの生活必需品は何とか手に入るものの、趣味に充てるお金が無くなるので生活に必要ない嗜好品は買わないようになります。
レジャーの支出を削るケースもあると思います。

嗜好品が売れなくなるとその製造メーカーの売上が下がりますし、レジャーの支出が減るとレジャー関連の業界の収入が減ります。
つまり一部の業種の収益が落ち込んでいき、その従業員の収入が減ります。
収入が減った人が増えると、嗜好品だけでなく他の産業にも影響が出始めます。
生活必需品を買う場合でも少しでも安い商品を買うようになります。
企業は売り上げを確保するために値引きを行うようになりますが、値引きを行って利益率が下がるとその企業の従業員の給与にも影響が出てきます。

お金が無いので物が買えない。物が売れないので仕事が減る。仕事が減るから収入が減る。
バブルとは逆の負のスパイラルが続いていきます。

不景気になると金が足りない人や企業が増えてきます。
お金の総量は減っていないのにお金が足りない人が増えるのは何故でしょうか?

お金を独り占めしている人がいる?

違います

お金の動きが悪くなっているからです。

お金の動きを止めないためには、手元に入ってきたお金は次に必要な人に渡さなければならないのです。
(もちろん必要なお金は手元に残す必要があります)

不景気の怖いところは、収入が減っていない人も物を買わなくなる事です。
「今は仕事があるけど、将来が不安だから貯金しておこう」
と言う状態です。
つまりお金の動きを止めると言う行為を多くの人が行っているのです。
一人ひとりが止めるお金は少額ですが、日本全体で行えば大きな額になります。

お金と言うのは止まっていると何の価値も出しません。

必要以上のお金は蓄えずに、投資に回す事で経済が活発化し、大きな金額になって自分に帰ってくるのです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。


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